
昔一度訪ねたことのある七面山。今回は一昨年末に亡くなった母の供養も兼ねて参詣の登山をしました。(実家は日蓮宗の檀家)
七面山の山頂は1989m、訪ねる敬慎院は山頂手前の平坦地に建てられている伽藍です。そこには満々と水をたたえた「一の池」があり、それを背に七面山本社や参籠殿(さんろうでん)などが配され、広い平らがこんな山の上にあるのが誠に不思議です。本殿の東側、階段を登った位置には「随身門」があり富士山の遥拝所となっていて、彼岸中日にはダイヤモンド富士のご来光が随身門から本社の七面大明神にビーム光線のように差すというのですから驚きです。

そして着いてビックリ、なんと当日の宿泊者が私一人だったのでした。千人も泊まれる宿坊の場所に…。
山小屋ではないので、ここでのメインは当然、夕と朝のお勤めです。17時の夕食(精進料理)が済むと17時半より七面大明神の御開帳があります。これも私一人の為に若い僧侶がお経をあげてくださいます。
18時からのお勤めでは五人の僧侶が読経され、そこでは受付時にお願いした両親の回向と、菩提寺の「寺門隆昌」の祈願も唱えて頂きました。それにしても広く荘厳な本堂のこちら側には私一人。最後のご住職(身延山久遠寺から派遣されている別当責任者)のお話(お説教)も当然私一人に向かってで、なんとも勿体ないような贅沢なような、前代未聞のことでした。

子供の頃から法事などで日蓮宗のお経は耳に慣れ親しんでいましたが、ここの読経はスピードがもの凄く速いし勇ましさにも拍車がかかっていました。
本堂内は撮影禁止なので、最も美しく荘厳な様子を言葉で語りきれないのが残念です。七面山本社は由緒からしても、堂内の仏具装飾にしても総本山の身延山久遠寺に次ぐ素晴らしさでしょう。
メインである夕のお勤めが終わると、後は21時の消灯まで少し間があります。が、すっかり草臥れていましたし、早々にバタンキューでした。
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