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福島原発事故14年展@神奈川

横浜駅にある「かながわ県民センター」1F展示場にて3月28日(金)から4月3日(木)10〜18時 「福島原発事故14年展 展示&トーク 〜この国の姿を問う〜」が開催されているので、出かけてきました。

 

会場はパネル展示の他、フォトジャーナリストの豊田直巳さんの写真や、被爆した動物の声を聞き作品に描く日本画家の山内若菜さんの大作品などが展示されています。

 

また連日のように出品者のトークイベントもあり、私は東京新聞記者・荒井六貴さんの講演を聞いてきました。

 

 

この話については「山の絵」HPの「立ちどまる」に詳細を記しました。よろしかったらそちらもご覧頂けると幸いです。

 

3月28日には歌人の三原由紀子さんのトークイベントがあったようです。会場にパネル展示されていた歌の幾つかをここに記します。

⭐    🌙    ⭐     🌕    ⭐ 

 

ふるさとは 小分けにされて真っ黒な

 袋の中で燃やされるのを待つ

 

汽船ゆく大海原に「処理水」と

 人の名付けし 水放つらし

 

わが店に売られしおもちゃのショベルカー

 大きくなりてわが店壊す

歌集『土地に呼ばれる』より

 

復興と言われてしまえば

 本当の心を言葉にできない空気

 

 

責任をさらなる未来へ持ち越して

 「仮設」「中間」便利な言葉

 

 

 

三原由紀子歌集

『ふるさとは赤』(本阿弥書店)

 

『土地に呼ばれる』(本阿弥書店)


会場ではTシャツプロジェクトというのもやっていました。

売上の一部がカンパにもなるそうで、黒いのを一枚求めました。ある裁判の判決文の要旨が背中に書かれています。

 

この判決文は福井地方裁判所の「関西電力高浜原発3・4号機の運転禁止」を命じる仮処分決定が出された時のものです。当時の裁判長・樋口英明氏は退官後も全国を廻って原発の危険性を訴える活動をされています。

 

映画にもなっています「原発をとめた裁判長 そして原発をとめた農家たち」 

こちらも「立ちどまる 2022.10.20付」に紹介を載せています。

 

🌿   🌸   ☘   🌷   🍀 

 

 

「元気だよ、被爆してるけどね」って

 笑顔の絵文字の返信メール

 

 

帰る人、帰らない人、帰れない人を

 抱きてわが浪江町はある

 

 

ふるさとを凱旋するよう夕方の

 商店街を二人歩みぬ

 

 

iPad 片手に震度を探る人の

 肩越しに見るふるさとは 赤

 

 

「仕方ない」という口癖が日常になり

 日常をなくしてしまった

 

 

波のうねり車窓に顔寄せ眺めいる

 広く大きくなれそうな夏

 

 

沈黙は日ごとに解(ほど)けていくように

 一人ひとりと声を束ねて

 

三原由紀子 歌集より